人の悪意にどこまで目をつぶれるか、という話

  • 2017.07.03 Monday
  • 10:01

 

現在請け負っている仕事の大半は、

支払その他の際に間にマッチングサイトを挟んでいるだけで、

(こうすることで、こちらの個人情報は

先方に最低限伝えるだけで事足りるということです)

インタビューにしろ、大規模なシンポジウム等にしろ、

発注しているのは、その関係者に近いところであり、

いわば「直接」依頼といえなくもない…と思うのですが、

例えば3年前まで主流だった会議録調製の会社では、

地方自治体→会社→私という感じで、

地方自治体と私の間では、

「作業をしているのはこの人」という情報の行き来はゼロでした。

 

ちょっと旧聞に属する1990年代の話ですが、

「どうなのよそれ」と思ったのは、

不審点を調べるために、直接自治体に電話をしたことが発覚し、

注意されるワーカーがいたということです。

正直、私もそれを何度かやったことがあるのですが、

ばれているのかいないのか、直接注意されたことはありません。

会議録調製のためという目的をぼかして問い合わせたので、

まあばれてはいなかったと思いますし、

注意されるほど悪いことをしたとも思っていません。

 

インターネットも一般的とはいえず、

リサーチといえば書籍と電話やファクスでの問い合わせが関の山だった時代に、

一番正しい答えが出そうなところに問い合わせて「ヤメロ」と言われましてもですね…

せめて目的をぼかして問い合わせろと注意するならともかく。

本当に現在はインターネット様々です。

 

また、別の事務所の話ですが、

孫請けであることで、嫌な思いをしたこともあります。

 

その事務所からの依頼で、毎年6月下旬、とある企業の株主総会に入っていました。

さほどもめ要素もない会社で、雛型どおりにしゃんしゃん30分程度で終わっていたし、

お弁当は出るし、ピストン輸送のタクシーで駅まで行けるし、

記念品までもらえるしで、なかなかおいしい仕事だったのですが、

ある年、先方の会社の担当者が替わったとき、

「去年までは仕上げが遅かったと聞いたのですが、今年は大丈夫ですか?」

と聞かれました。

 

遅いというのがどの程度を示しているのか知りませんが、

仕事が午前中に終わり、寄り道しないで午後1時には帰宅。

すぐ作業を始めて、見直しまで含めて遅くとも3時には終わり、

印刷物とフロッピーディスクを隣県の事務所に

「ヤマト翌日10時指定」で送り…という流れです。

その事務所がすぐにチェックして、すぐに先方企業に送ってくれれば、

2営業日で届く計算になるはず。

とはいえ、総会の時間を考えたら「30分だし即日でしょ」が本音かもしれません。

 

その会社の本社は東京にあるものの、

株主総会は私の地元から近いところでやるのが通例でした。

「いなか、の、じけん」ならぬ「いなか、の、そうかい」だったわけです。

成果物は現物を宅配便でやりとりが普通だった時代、

そのタイムラグも考えずに「遅い」と言っているのかもしれないと思い、

参考までにどのくらいかかったかを聞いてみたのですが、

「1、2週間って聞きましたけど」との返答でした。

 

いやいやいや、おかしいおかしい。

そこで私は思わず、当日すぐ作業をしてすぐ返していること。

ただし、私自身の作業自体は在宅のため、

かくかくしかじかで最速2営業日くらいで納品になるということを

ざっと説明しました。

「そうなんですか?2日くらいなら問題ないはずなんですけどね」

とのお返事でしたが、私の話を信じたのかどうかわかりません。

多分ですが、当時の事務所社長の性格を考えると、

納品が遅くなるのを全部作業者のせいにしていたと思われます。

(というか、どうせ発注元には私の存在はわからないんだから、

悪口言われても平気なんじゃないの?的なことを言われ、

キレかけたこともあります)

 

そんなこんなで、お互いにインターネットメール環境が整い、

添付ファイルでやりとりができるようになったまさにその年、

たまりにたまった不満(株主総会以外にもいろいろあったので)により、

その事務所とは契約を完全に切れました。

皮肉なもんです。

 

私が非の打ちどころのないパーフェクトなワーカーだったとは言いませんし、

上記すべて「私の言い分」ですから、当然、自分に都合のいい書き方しかしていません。

ただし、うそは1つも書いていません。

 

80年代に起きたリクルート事件では、関係した政治家お歴々の

「秘書がやったこと」という言い訳が流行語になったことがありました。

お話的にはやや小規模ですが、実際、役所勤めの時代、

ちょっとしたやりとりミスについて、何なら自分は1ミリも関係ないような案件でも、

私の前で堂々と「うちの女の子が」と言い訳している人を見たのは

一度や二度ではありません。

丸く収めるために、一番軽傷で済みそうな人のせいにするというのは、

感心はしないし、ムカッとも来るけれど、半ば当たり前だと思っていました。

(あ、リクルート事件みたいなのはさすがにアウトですよ)

 

責任転嫁やガス抜き悪口大会のターゲットにされがちな人がいます。

人というより「立場」と大くくりしてもいいでしょうか。

また、どんなに上にいて、みんなから尊敬されるべき立場でも、

世の中すべての人によく思われている人は1人もいません。

仮にみんなから「いい人」だと思われている人は、

ご本人の心に大分しわ寄せが来ているかもしれません。

人間関係も裁縫のタックと一緒で、どこかに調製部分がないと、

形として整わないのでしょう。

 

大人道とは、誰かの悪意にギリギリまで知らんぷりすることと見つけたり。

仕事の動機は100パー「カネ」

  • 2017.05.29 Monday
  • 10:14

以前とあるラジオで、ある女性パーソナリティーが

(実は誰だかはっきり覚えていますが、あえて名前は出しません)

年配の行商の女性の話題が出たときに、

「お金のためじゃなくて、生きがいのために仕事していてほしい」

という趣旨の発言をしているのを聞きました。

 

言いたいことは少しはわかるんだけど…

それって典型的な余計なお世話だし、

お金が絡んだからって

労働の価値や仕事の意義が低くなるわけじゃないし、

高齢の方には若年層とは別ベクトルでお金が必要だし、

そんなこと言うんだったら、

あなたもこれからはテレビやラジオの出演料、原稿料、

ぜーんぶ返上してね?

と言われたら、どうするつもりなんだろう?と呆れました。

「お金のためだけじゃなく」なら、ここまで思わなかったでしょう。

 

あるオウンドメディアのインタビュー記事がとても読み応えがあったので、

「ああ、こういうところの文字起こしの仕事したいなあ」

と思った後に気付いたのですが、

ここ、過去に何件かお受けしたことがあったこと、

そして「ギャラが激安だった」ことを思い出しました。

それを初めて受けた当時は、「仕事させてもらえることがすべて」だったので、

特に何も思わず、喜んで作業していたよなあということも思い出し、

少し切ない気持ちになりました。

2件目以降をお受けする頃は、その価格破壊感が気になりつつも、

内容は本当に興味深く、音質もなかなかのもので、

頭の片隅で「こういう仕事は、お金じゃないもんね」

と思っていたことも否定はできません。

正直現状では、直接依頼があったとしても

理由をつけてお断りする可能性が高いのですが。

 

わずかとはいえ報酬を出してもらえるからこそ言える「お金じゃない」発言。

そのラジオパーソナリティーさんのも、

行商という「商売」を前提としての「生きがいのために」発言だったのですから、

余計なお世話なのはともかく、

私なんぞにそこまで責められるべきでもありません。

問題は「お金じゃない」の基準が人によって違うであろうことです。

 

私は、具体的な金額は申し上げませんが、

「生活がすこし楽になって、時々は趣味に走った買い物ができればいいな」

程度の稼ぎを目指し、日々仕事をしています。

といっても、40代後半の金銭感覚からすると、

大分ビンボー臭い嗜好・発想しか持ち合わせていないことは自覚しています。

メイクをしないし、化粧水1本に1,000円以上はかけないし、

服は好みで状態のいいものを古着屋で調達し、それをさらに娘と共有しています。

ブランドにもあまり興味がなく、持っているバッグも最高値は2万円。

靴はスニーカーからパンプスまで平均3,000円のものを好んで履いています。

アニメイトでグッズに2,000円分以上使うと「散財した」という気分になり、

外食に1人1,500円以上使うと「ぜーたく」を味わえます。

好みに合い、なおかつ身の丈に合ったものなので文句はありませんが、

人によっては「最底辺」とみなす生活なのは自覚しています。

逆に言うと、この生活を維持できないような稼ぎしか得られないなら、

「仕事したくないなー」が本音です。

ロト7で大当たりでもつかめたら、

「お金は要らないから仕事させて」みたいな寝言を言うようになるかもしれませんが、

ダダ下がりの相場をさらに崩すようなマネをするのは、ほかの方に迷惑がかかりますから、

当然、相応の報酬はきっちりいただきます。

 

生きがい、といえば、

離れて暮らす長女を含む家族が健やかで笑顔でいられることと、

オトメ系アニメやゲームで美麗男子のグラフィックと美声を堪能することです。

そしてコレら↑のためにもまた、「ちょっぴり」お金は必要です。

結局、「お金のために働いています」としかまとめられません。

声をどうにか区別する方法

  • 2017.04.17 Monday
  • 13:17

 

かなーり前、まだ会議録調製が仕事の中心だったころ、

「妄想議会」についてWeb日記に書いたことがありました。

このブログ同様、掲示板もついていない日記だったので、

リアクションは旦那と上の娘からだけでしたが、

「速記できないけど、こんな議会なら俺(私)も速記者で入りたい」

とのことでした。

 

「議長は井上和彦さん、副議長は子安武人さん、教育長・小川真司さん、

議員は立木文彦さん、遠藤綾さん、京田尚子さん、

山寺宏一さん、松風雅也さん、小野大輔さん…」

といった、考え得るオールスターキャストだったのですが、

その後、無念にも鬼籍に入られた方もいらっしゃったり、

ある大ヒットアニメのせい?で別なイメージがついてしまった方がいたり、

かるーく時代を感じます。

 

最近は被選挙年齢ギリギリの超若い議員や首長も珍しくなく、

人気声優の顔ぶれも、じゃんじゃん「平成生まれ」に塗り替わりつつあるので、

今選ぶと、また少しラインナップが変わるかもしれません。

 

梅原裕一郎さんあたりが声というより「議員そのもの」だったら、

かなりのアイドル議員になりそうですね――そんな存在が必要かどうかはさておき。

局アナ的なルックスに落ち着いた低音の声で、こういってはなんだけど、

多少薄っぺらい見識を披露されても、

「おー、若いのにしっかりしてていいこと言うわ」と勘違いしそうだし(だめじゃん…)、

文字起こしの立場としては、大いに「耳の保養」になりそうです。

 

梅原裕一郎(アーツビジョン)

http://www.artsvision.co.jp/talent/294/

 

ところで、地方議会の案件というのは、

本会議の一般質問や代表質問なら、1人ずつ登壇して質問や答弁をしますし、

明確に反応しているのでない限り、不規則発言は無視していいことになっているし、

委員会でも、事務局の職員さんが議事経過表をこしらえてくれることが多いので、

初めてであっても、「今話している人は○○さん」

しっかり認識しながら起こすことが可能ですが、

インタビューや座談会だとそうはいきません。

殊に座談会だと、クロストーク状態になったり、

同じ人の声がなぜか途中で転調でもしたように聞こえたりで

てんやわんやになることもあります。

 

まずは性別+アルファベットで区別して、

後々話の内容から特定していったり、パターンはいろいろですが、

私が時々使うのは「声優置換法」です。

残念ながら個性的なお声の持ち主でないと少し難しいのですが、

よく似たお声の2人がインタビュイーとしてかわるがわる回答なさっているような場合でも、

「よし、Aさんは「さ行」の発音に特徴があるから沢城みゆきさん、

Bさんは佐藤利奈さんだと思い込もう」

と、少しでも何らかの特徴を見つけ、こじつけて、

耳になじんだ声優さんの名前に置き換えて起こす方法です。

(もちろん、発言者の立て方には細心の注意を払う必要があります)

 

こうなると妄想の世界なんですが、

「立木文彦さんっぽい人と、頑張れば麦人さん」的ナイスなおじさま対談や、

「鳥海浩輔さんに似ていなくもないIT社長と

斉藤壮馬さんみたいなその部下さん」のインタビューなど、

なかなか夢のある仕事に生まれ変わります。

 

声オタだから文字起こしに向くかというと、そういうわけでもないのですが、

ネタ的には面白いかもしれません。

逆に、内容をあちこちでしゃべったりできないような仕事であるからこそ、

「トランスクライバーの密かな楽しみ」になり得るわけです。

 

あまりなじみのない言葉かもしれませんが、文字起こし人をカタカナにするとこうなります。

大昔知人に言ったら、「トランスtransっていうから通訳の仕事かと思った」

と勘違いされて以来、私自身はちょっと使いにくくなりました。

一番長いお付き合いかも「自家製フットペダル」

  • 2017.04.16 Sunday
  • 19:29

 

文字起こしの際、音声の再生にokoshiyasu2を使っています。

「再生・早送り・巻き戻し」などは、

キーボードのファンクションキーに割り当てて手で操作することもできますが、

タイピングで当然両手はせわしくなく動くので、できれば「足」で操作したいところです。

 

そこで、「フットペダル」と呼ばれるものを使うようになりますが、

これは音源がテープの時代から、文字起こし業にはおなじみのものです。

デジタル音源への切り替えが始まった当時

お世話になっていた反訳会社からお勧めされたものは、

3万円ほどするものでした。

 

「高いけど、ないと不便だし…やっぱり買わないとだな…」

 

「よし、じゃ、つくるか!」

と、まだ若くDIY大好きだった旦那のクラフト心に火がついたようで、

ゲームコントローラー、端材、ケーブル、

そして家の呼び鈴に使うようなスイッチをホムセンで調達した彼は、

プロトタイプというか、β版というか、「とりあえず版」をつくってくれましたが、

気が付けば、それを使い始めて14年目に突入しました。

 

よく見ると、細かいほこりを巻き込んでいたりするし、

かなり汚れてもいるのですが、

まだ「使えなくなる気」がこれっぽっちもしません。

 

人がつくったものなので、敢えて気楽に言いますけど、

あまり複雑でないローテクなところがよかったようです。

冬場に裸足で踏んでも木のぬくもりを感じるこの逸品、

ボロッボロ過ぎて、写真をアップできないのが残念です。

 

いつかはこれが全く使えなくなって、

既製品を買う日もくるかもしれません。

(値段は大分安くなったようですが)

うまくおだてたら、またつくってもらえないかな、

などと考えてもおります。

 

「ライター」と呼ばれると困る理由

  • 2017.04.12 Wednesday
  • 10:07

 

こちらのブログでもしばしば触れていますが、

私は「文字起こし人」であって、ライターではありません。

実はライターになろうとしたこともなくはないのですが、

自分には向かないとわかって見切りをつけて、現在に至ります。

 

少し前にTwitterで「私は作家であってライターではない」と言った、

正確な職業のよくわからない有名女性がいますが、

その女性によると「作家とライターでは、バレリーナとチアリーダーくらい違う」そうです。

(誰のことを言っているの?という方も、検索ですぐわかると思います)

 

これが例えば「弁護士と医者ぐらい違う」だったら、そもそも畑違いなので

「ああ、よくわからんけど「違う」のね」ということは伝わります。

しかし、近い分野のものを2つ並べてしまうと、

この人の中に序列があるんだろうなという邪推のきっかけをつくってしまうので、

これは「やっちゃったんじゃないの?」と、他人事ながら心配になりましたが、

もともと炎上キャラだったようなので、ビジネス・アズ・ユージュアルみたいですね。

 

上記のような理由から、「○○と△△くらい違う」というたとえは

誤解やド滑りのもとなので控えます。

もちろん文字起こしもライター業も同時にこなしている方もいるでしょうが、

私は、「文字起こしを生業とし、自分のためだけのブログを書いている内職おばさん」です。

 

ライターだと思われると困る理由として

「できそうもない、想定外の仕事で声がかかる」というのを挙げたことがありますが、

実はもっと困る、というより心外なのは、さすがにここは誤解を恐れずに言いますが、

「文字起こしに関してだけは、素人だと思われるのが嫌だから」です。

プロと思われたいというよりも、「素人と思われるのが嫌」が正確で正直な心情です。

 

いや、わかるんですよ。そんなに皆さん私に関心はないだろうし、

文字起こし人だろうがライターだろうがどっちでもいいわって思っていることは。

でも、私のことをライターだとみなしている人の認識は、

「文字起こしはライターの作業プロセスの一部」なんじゃないでしょうか?

 

私にお仕事を回してくださる方は、

出版社やオウンドメディアなどの法人系の方はもちろん、

個人でライター活動をしている方も多いのです。

そのライターさんが記事をまとめる一助になる成果物を仕上げたいので、

注釈を書いたり、参考になるページのURLを貼ったりすることもありますし、

そういうオーダーならば、常体から敬体、敬体から常体へのスイッチにもお答えしますし、

できるだけ逐語的にとのご指示があれば、「わ、苦手…」と思いつつも当然従います。

ついでに言うと、あまりにも雑な音源を渡されれば、泣き言の一つも言いますし(笑)。

 

「そもそも内職の文字起こしにプロとかアマとかあるの?」と言われると微妙なのですが、

少なくとも20年以上この仕事をやってきて、自分なりの流儀も一応あって、

評価してくださる方も多少なりともいる現状で、

「ただの素人と思われちゃ困りますわ」という矜持だけは持っております。

 

突然こういう観念的に見えることを書きたくなるのは、

ま、「何かあったとき」なんですが、

要するに、ウェブ上の某所で暴れている方についつい反応してしまい、

それに反論され、

反論し返し、

さらに反論され ←イマココ  という現状です。

 

どうも人の文章を読むのが苦手な方のようで、

既に書いたことにまで「反論せんかい。逃げるな」と言われております。

もう逃げたと思われてもいいので、私の方はここで打ち止めにしますが、

その方に「あなたもライターなら…」的なことを書かれました。

 

だから、ライターじゃないってば。

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